北九州市教育委員会様では、GIGAスクール構想の実現に向けて、学校の生徒1人1人に学習用端末としてのタブレットの整備や通信環境の整備に取り組んできました。今回はそこで抱えていた通信環境構築に関する課題や、+F FS040Wを導入した経緯、運用状況について伺いました。
無線アクセスポイントの整備が困難な学校にモバイルルーターで通信環境を提供
+F FS040Wを導入することになった背景を教えてください
昨今、GIGAスクール構想の実現に向け、全国的に多くの自治体が学校のICT環境の導入を進めており、生徒1人1人に学習用端末としてタブレットを整備し、加えて、学校の通信環境も整備しています。
当市でもこうした取り組みを進めてきており、2020年度は、合計194校に、無線アクセスポイントの整備を実施しました。しかし、地理的な要因などから固定回線を引けず、無線アクセスポイントを整備して校内LANを構築することができない学校があり、これらの学校にどのようにして通信環境を整備するのかということが課題でした。
解決策を議論し、いくつか出てきた方法の中で、当市としてはモバイルルーターを導入するという方法を選択しました。その理由は大きく2つありました。
1つ目は、モバイルルーター1台で複数の学習用端末に通信環境を提供できるためです。
2つ目は、指定した学習用端末だけに通信環境を提供できるようにしたかったためです。
モバイルルーターならこうした設定も行えます。これらを踏まえて、効率的にかつ生徒の学習用端末に限って通信環境を提供するためにはモバイルルーターの導入が最適と考えました。そして、各社のモバイルルーターを比較検討し選定を進める中で、富士ソフトの+F FS040Wが最適と判断し、導入にいたりました。
32台という圧倒的な接続台数と
ホームキットによるWi-Fi強化機能
+F FS040Wご採用の決め手を教えてください
学校の教室で授業中に使用することを想定していたため、1台でより多くの学習用端末を接続できるモバイルルーターを求めていました。
富士ソフトの+F FS040Wは、ホームキットと組み合わせることで、32台の学習用端末を接続できると言う特長があり、当市の要望にマッチしていたため導入を決めました。
これは他社の製品に比べて圧倒的な接続台数で非常に魅力的でした。さらに音声や動画の配信というような負荷の高い通信においても、ホームキットによってWi-Fiの通信速度や安定性を向上させることができるため、こちらも重要なポイントでした。
モバイルルーターならではの良さを活かして
校外学習の場と学校をつなぐ
+F FS040Wの運用状況や効果について教えてください
+F FS040Wの頑丈さやバッテリーの持ちの良さもあり、故障や充電関連のトラブルもなく運用できています。
さらに、接続台数やWi-Fi安定性を重視した教室でのホームルーターとしての運用を基本としながらも、それにとらわれることなく必要に応じてホームキットから本体を取り外し、モバイルルーターとしても使えることが役立っています。
具体的には、特別支援学校の職場体験学習に+F FS040Wを持って行ったという事例があります。これは、職場体験先の動画や写真を送ることで、学校にいる生徒にも現場の様子を共有できたため、とても効果的な取り組みになったというものです。
校内に固定設置してしまう無線アクセスポイントではできない、モバイルルーターならではの良さを活かした運用だと思っています。
校外学習や校内LANの
電波が届かない場所での使用
+F FS040Wのさらなる活用用途について教えてください
GIGAスクール構想関連の取り組みによって、生徒への学習用端末や校内の通信環境は整ってきました。今後は、修学旅行や校外学習で+F FS040Wと学習用端末をセットで持っていき、学習の効果を高めるという用途に可能性を見出しています。
また無線アクセスポイントを設置して校内LANを構築している学校においても、運動場や特別教室など、電波が届かない場所は必ずあるので、そういった場所に+F FS040Wを持ち運んで使用するという運用についても魅力的であると考えます。