株式会社サトー様は自動認識システムの総合メーカーです。主力製品であるラベルプリンタのオンライン保守サービスにおいて、SIM接続によるサービス展開をするために、+F FS040Uを導入しました。同社が導入に向けてこだわったことや導入後の効果、今後の展望についてご担当者様に伺いました。
課題だったお客様先でのネットワーク接続手段として
USBドングルによるSIM接続を提供
+F FS040U導入の経緯を教えてください
2015年から、ラベルプリンタの保守サービスSOS(SATO Online Services)を展開しています。これはお客様のラベルプリンタの稼動状況をネットワーク経由で見守り、様々なお困りごとを解決し、安定稼働を提供するためのオンライン保守サービスです。SOSのご契約台数は現在国内外合わせて90,000台程の実績があるのですが、納品するお客様の環境にLANが無い場合や、お客様のセキュリティーポリシーが高くLANに接続させていただけない等の理由でネットワークに接続できていない場合が多くありました。
そのため、SOSのオンライン保守サービスとしての付加価値を最大化し、更なる導入拡大を図るためには、当社のラベルプリンタをお客様の環境で如何にネットワーク接続していただくかということが課題でした。
そこで、2017年より、お客様のネットワーク環境を介さず、3G(SIM)による接続が可能な通信端末とセットにしたSIM接続プランを提供することにいたしました。その後、3Gが収束することもあり、4G対応へシフトしていく中で、対応通信端末として、キャリア様から富士ソフトのUSBドングル+F FS040Uを紹介してもらいました。
重要視したのはパソコン向けの導入実績と
柔軟かつタイムリーなサポート
+F FS040Uご採用の決め手を教えてください。
+F FS040Uが業務用パソコンのネットワーク接続端末として、すでに市場で多くの導入実績を持っているということは大きな要因でした。それに加え特に重要視したのはサポート体制です。以前、3G用に導入していた端末は海外メーカー製だったのですが、海外メーカーからは十分な技術的なサポートが受けられず、お客様へのトラブル対応に非常に苦労する場合がありました。
そういった経験があり、国内メーカーであることは非常に安心感が持てましたし、実際に導入前の製品の検証や技術的な問い合わせにおいても、柔軟かつタイムリーに対応いただけたことは、大きな導入要因となりました。さらに、出荷時にセキュアなRASモード※に設定するキッティング対応が可能なことも大きな決め手でした。セキュリティーポリシーの高いお客様には必須の対応となるため、とても助かっております。
※コマンド制御や、通信設定がされている機器と接続した場合だけ使用できるモードのため、M2M/IoT用途で利用されています
SIMによるネットワーク接続プリンタの数が飛躍
+F FS040Uの導入効果について教えてください
+F FS040Uを導入したことによって、SIM接続プランによるSOS契約数が増え、ラベルプリンタのネットワーク接続率が飛躍しました。これによって、現場に行くことなくお客様先のラベルプリンタの状態を可視化し、必要に応じてリアルタイムに対応できるお客様が増えたため、市場全体でのSOSの付加価値を高めることができています。実際に、担当者が4時間かけてお客様先を往復し対応していた作業が、わずか15分で完了したという例もあり、生産性向上という点でもメリットが出ています。
また、2021年度は+F FS040Uを1,300台程導入いたしましたが、現在お客様先におけるハード的な障害は発生していません。通常は数%程度の障害は想定していますが、それもなく非常に安定稼働しているためとても満足しています。
保守以外でも付加価値を提供するために
ラベルプリンタのネットワーク接続を標準化していきたい
今後の展望について教えてください
今後は、+F FS040Uを年間数千台程お客様へ提供していくことを想定しており、引き続きSOSの契約数を拡大していきたいと考えています。 昨今では、コロナ禍ということもあり、なかなか現地訪問による保守対応が難しい場合が多くなっています。そのため、メーカーとして現場に足を運ぶことを大事にしつつも、お客様のニーズに合わせてリモートでの保守対応力を強化していく必要があると考えています。
また、将来的にはラベルプリンタがネットワーク接続することによって、保守以外でも付加価値を提供できるようにしていきたいと考えています。例えば、現在はスーパー等のマークダウン情報は現場の担当者が商品の状態を見て都度判断し、ラベルを発行していますが、ラベルプリンタがネットワークに接続していれば、商品の適正価格をシステムで判断し、ラベルプリンタへ通知することで、現場担当者がタイムリーに適正価格を把握しその場でラベル発行を行うことができます。このように当社のタギングビジネスの可能性を大きく広げていくためにも、ラベルプリンタのネットワーク接続を標準化していきたいと考えています。