株式会社パトライト様は、「光」「音」「文字」を活用した報知機器で、生産現場やオフィス、緊急車両などの幅広い分野へ、見える化にまつわる機器やかんたんIoT ソリューションを提供している企業です。同社が提供しているネットワーク制御信号灯「NHシリーズ」の通信環境として+F FS040Uを導入した背景や決め手、導入後のメリット、今後の展望についてお話を伺いました。
LTE回線によるインターネット通信が可能となり
より幅広い用途に対応
ネットワーク制御信号灯「NHシリーズ」について教えてください。
当社では、約20年前から光と音でネットワーク上の異常を報知する信号灯NHシリーズを販売して参りました。ハード・ソフト両面でのフルリニューアルを繰り返し、現在は第三世代の製品となるNHVシリーズとNHBシリーズを提供しております。両シリーズとも信号灯の光で報知ができるとともに、NHVシリーズは音声、NHBシリーズはブザー音による報知を行うことができます。
これまで、機器の異常やシステムからの緊急性の高い通知を漏れなくタイムリーに監視する用途で、工場設備や官公庁の指令室等で多数ご利用いただいておりますが、昨今は様々な業務効率化が図られ業務の一部をRPA等で自動化する取り組みが増えてきており、自動化した業務の異常を見える化するという用途でのご利用も増えてきています。
本製品はローカルなネットワーク環境に接続し、機器やシステムの異常を報知するというのが主な利用方法でしたが、お客様からの要望もあり、より幅広い用途に対応していくために、現在では、LTE回線によるインターネット通信を行うこともできるようファームウェアをアップデートし、AWSやAzureといったクラウドサービスにも連携できるようになっております。
IoT/M2M利用用途における
国内メーカーの安心感と実績
+F FS040U導入の背景や決め手について教えてください
従来のローカルなネットワーク環境における利用をベースとしつつも、インターネット接続での利用も多くあります。しかし、社内ネットワークへの接続のハードルが高い、そもそもネットワーク環境が無いというお客様もいらっしゃいます。そこで製品にもともと備わっていたUSBポートにLTE通信が可能なUSBドングルを挿してLTE通信を実現することを考えました。この方法であればハード的な改修も要らず、お客様の社内ネットワークを介すことなく簡単にインターネット通信が可能となるため導入のしやすさという点でも最適でした。
NHシリーズ上で動作可能なUSBドングルを探していたところ、RASモードで使用できる+F FS040Uのことを知りました。IoT/M2M用途としてはRASモード※で使用でき、ATコマンドによる制御が可能なことも重要な要素でした。また、NHシリーズは官公庁への導入が多々あるため、+F FS040Uが同お客様への導入実績を多く持っているという点についても非常に安心感を持つことができました。さらに、富士ソフトへの開発委託実績もあり、これまでの経験から技術的なサポートも期待できると判断しました。こうした要素を総合的に考慮して富士ソフトの+F FS040Uを導入いたしました。
※コマンド制御や、通信設定がされている機器と接続した場合だけ使用できるモードのため、IoT/M2M用途で利用されています。
リーチできていなかった顧客の新規開拓や
既存顧客への更なる付加価値提供
導入後のメリットについて教えてください
これまで、お客様のローカルなネットワーク環境にてご利用いただくことしかできませんでしたが、+F FS040Uを挿すだけで、お客様の社内ネットワークに接続することなく、簡単にインターネット通信ができるようになり、当社製品の活用の幅が広がっております。例えば、メールサーバーへアクセスし緊急メールの受信を知らせることや、AWSやAzureといったクラウドサービスと連携することもできます。また、当社製品とそのホストPCの両方に閉域網用のSIMを入れた+F FS040Uを接続すれば、プライベートネットワークのようなセキュアな通信環境でホストPCからコマンド制御することもできます。
+F FS040Uと組み合わせることで、当社製品の機能や用途の幅が広がり、これまでリーチできていなかったお客様の開拓や、ローカルなネットワーク環境での利用に留まっていたお客様への更なる付加価値の提供が可能になると考えております。
LTE通信を活用したNHシリーズ用途の拡大と
+F FS040U対応の横展開の検討
今後の展望を教えてください
NHシリーズは、現状ではまだ従来のローカルなネットワーク環境での用途が主流ですが、今後はLTE通信を活用した用途での新たなお客様開拓を拡大していきたいと考えています。すでに、設置場所ごとに受信した様々な信号情報をクラウド上にビッグデータとして収集するといったIoT用途での可能性についての問合せをいただいております。
また、ネットワーク環境を確保しにくい現場で利用されているNHシリーズ以外の当社製品においても+F FS040U対応を横展開していくことで、当社製品ラインナップの付加価値向上を図れる可能性もあり、今後ますます+F FS040Uと連携する機会が増えていけばと期待しております。